2012年の派遣法改正から、30日以内の雇用契約を結ぶ、いわゆる「日雇い派遣」は“原則”禁止となりました。逆に言うと31日以上の雇用契約を結ぶお仕事の場合は「日雇い派遣」に該当しません。
とは言え、原則とあるように例外になる条件などがあるので
今回はそういった間違いやすい、分かりにくい部分をやさしく解説していきます。
派遣営業マンをしていた時も、このややこしい法律が出来た時は沢山の苦情をいただいたので説明ならお任せを。
「日雇い派遣」で働ける人の条件
まず日雇い派遣で働ける人は「日雇い例外」という例外条件に当てはまる方のみとなります。
その条件とは以下の4つとなります。
① 60歳以上の人
② 昼間学校の生徒(定時制、通信制は除く)
③ 本業の収入が500万円以上あり、副業として日雇い派遣をする人
④ 世帯年収500万円以上あり、その主たる生計者でない人
この4つの内のいずれか1つに当てはまる場合においては日雇い派遣として就業できます。
「日雇い派遣」で働ける業務
上記条件に当てはまる場合において日雇い派遣例外と認められわけですが、日雇い派遣として働ける業務も実は決まったものになります。
その業務が以下の18種類の業務となります。
① ソフトウェア開発 ② 機械設計 ③ 事務用機器操作 ④ 通訳、翻訳、速記 ⑤ 秘書 ⑥ ファイリング ⑦ 調査 ⑧ 財務処理 ⑨ 取引文書作成 ⑩ デモンストレーション ⑪ 添乗 ⑫ 受付・案内 ⑬ 研究開発 ⑭ 事業の実施体制の企画、立案 ⑮ 書籍等の制作・編集 ⑯ 広告デザイン ⑰ OAインストラクション ⑱ セールスエンジニアの営業、金融商品の営業
改正派遣法にて日雇い派遣が禁止になったのは、販売・書類整理・工場での軽作業など、いわゆる「経験や専門性を問わない」ものでした。
逆を言えば、経験や専門性が必要な業務は日雇い派遣が認められている。ということです。
ただ上に挙げられる18種のお仕事も少し抽象的と言うか、枠が広いので、気になるお仕事があった場合は実際にその派遣会社にお問い合わせする方がいいかと思います。
「日雇い派遣」条件に該当する・しないケース
先ほどの日雇い派遣例外になれる条件かどうか微妙な場合があるので、いくつかそのような事例を紹介します。
①「現在2つの仕事を掛け持ちしています。1つは年収が100万円、400万円となっています。合計すると年収500万円なので日雇い派遣で働けますよね?」
→正解は「働けません」となります。
なぜなら複数の仕事の合計額が500万円以上であっても、、「生業収入が500万円以上」には該当しないからです。あくまで合計ではなく主となる収入で判断されるので、この場合は400万円が主たる収入と見なされるわけです。
②「年収は500万円あります。お小遣い稼ぎに
たまに土日で日雇派遣の仕事をしたいのですが」
→正解は「働けます」となります。
先ほどのように掛け持ちではなく、年収500万円以上であれば
日雇い派遣は副業とみなされるためです。
③「世帯年収が600万円で、私の年収は290万円です。その場合は世帯年収の5割近いので日雇い派遣で働けないんでしょうか。」
→正解は「働けます」となります。
なぜなら「主たる生計者でない」というのは、その人自身の年収が「世帯年収の50%未満」という場合に適用されます。この場合、あくまで300万円に達してなければ「日雇い例外」なるわけです。
まとめ
ややこしい条件や業務などがありますが、ご理解出来ましたでしょうか。
「派遣切り」などが社会問題になったとき、日雇派遣で働いている方たちの雇用の不安定さが大きな問題となり派遣法が改正されました。
ただ正直、それによって働き方の多様性が減り、求人数も少なくなってしまったように思えます。
法律は政権が変われば変わることもあります。
派遣で働きたい方、働いている方はしっかりと情報をキャッチして
ご就業下さいね(^^)